先日、オークションで落札した古弓を仕上げています。
【手元に来た時点での状態】
・分:五分七厘 並寸
・手幅:26.3mm
・裏反り:30.5cm
・質量:512.5g
時代から察するにニベ接着でしょうね。
確実なことは言えないので銘はあえて伏せます(^^;
やはり、昔の弓は質量がとても軽いですね。下切詰が開いていましたが、それを承知で落札しました。
弓の状態を確認すると、概ね予想通りの状態。
切詰以外に大きな破損はありませんでした。
ホコリ等の汚れは拭き取ってあげれば綺麗になりました。
まずは切詰の接着。籐束はすべて剥がしました。
稚拙な修理ですが、
エポキシ樹脂系の接着剤を接着面に塗り、クランプで押さえました。
冬で気温が上がらず接着剤が硬化・実用強度に達するまで
わりと時間が掛かるので数日間、置いておきます。
数日後、確認してみるとしっかりと接着出来ているようなので
弦を掛けてみることにしました。
次回へ続きます。
(某古弓②→kyudo.ya-gasuri.com/Entry/49/)
張込んで、そろそろ引いても良いかなと思い肩入れ。
あれ・・・案外、手ごたえがない(^^;
前回、書き忘れましたが弓は並寸で分は漆塗りの上からではありますが
矢摺籐のすぐ上で21mm。
弓の正体も気になっていたので握り皮を剥がして握り下をみることにしました。
あれ・・・握りのところだけ塗られていない、というか竹ではなく木だ(^^;
ミズメザクラみたいに見えました。
そう見ての通り、木の単一材の弓でした。
しかし、竹弓の節に対応する位置の籐の下に膨らみもあり
見た目は竹弓に見えます。
漆の剥げた本弭にも通しヒゴのようなものも確認できます。
竹弓に見えるように偽装されていたんでしょうかね(ーー;
新しい握り皮を巻いて後日、慣らしてから的前を引いてみました。
塗り弓で弦の返りは鈍重ではありますが、不思議とそれなりに矢は飛んでくれます。
握りを剥がさなければ、ずっと竹弓だと思っていたかもしれません(^-^;
期待したものとは違いましたが、状態も悪くなく外観が綺麗で、こんな弓も面白いとなぁと思っています。
この時季に塗り弓の話もどうかと思ったのですが
8月に某オークションで購入した千段巻きの塗り弓ついて書きます。
価格もあがらずに思ったよりも安く落札できました。
銘はこの通り判読できませんが
本弭の外竹側に
『大正二年 打越正直作』とありました。
ぴろりさんに伺ったところ
打越正直の塗りではないかと仰いました。
では、弓自体は誰の作なのか気になり
ヒントが隠れてそうな握り下を剥がしてみました。
それについては「塗り弓②」の方で書きますね。
手元に来た時点での
裏反りは28cm程度だったように記憶しています。
畳押しを数回して慎重に様子を見ながら張ってみました。
成りはこんな感じです。
良いんじゃないでしょうか?
この写真は握り皮をかえた後の写真ですけどね。
暫し、様子を見ながら張込み。
続く
(塗り弓②→http://kyudo.ya-gasuri.com/Entry/42/)
久しぶりに弓についてのお話ですね。
今回はカーボン入り竹弓についてです。
写真は以前、弓具店さんで撮影させて頂いた
某弓師作のカーボン入り竹弓の断面図です。
カーボンの入り方でどの弓師さんの弓か
だいたい、お分かりになる方もいらっしゃるかもしれません。
写真はカーボンが棒状に二本入っていますね。
他に自分が知っているのはヒゴに沿って
カーボンがプレート状に入っているものですね。
カーボン入り竹弓は純粋な竹弓に比べて
一般的に壊れにくいとされていますが、本当にそうなのでしょうか?
行きつけの弓具店へ行くと外竹を弾くなどして修理に出される弓を
たまに目にするのですが、純粋な竹弓よりもカーボン入りの竹弓の割合の方が多いように感じます。
(あくまで自分の経験上ですが)
それでカーボン入り竹弓についてネットで調べてみたら
カーボン入り竹弓はむしろ、純粋な竹弓よりも
扱いが難しいという意見を何件か拝見しました。
人様の記事であることもあり、詳細は省略させて頂きますが
『なるほど』と納得させられる意見でした。
カーボン入り竹弓は純粋な竹弓よりも扱いが簡単とは一概には言えないようです。